本文にスキップ

スタッフブログ

方言

JA紀南のブログで方言の話があったので、こちらも少しのせてみます。同じ田辺市でも地域によってかなり異なりますが・・・

和歌山市出身の人と話したことがある方、語尾に「ちゃーる」、「ちゃーるっ」てつけてますよね。あれは和歌山弁ではなく、和歌山市弁です。誤解しないように。紀ノ川筋の橋本市にも住んでましたが、そこでも使ってませんでした。もちろん県外からの移住者ではなく地の人が。和歌山市近辺のごく限られた地域だけです、使っているのは。でも県民104万弱のうち38万弱が和歌山市民やからなあ~。隣の海南市や岩出市でもちゃーる、ちゃーると言っているのでしょうか。

「たーる」、「やる」

田辺では(厳密に言えば私の育った地域は田辺市ではないですが、いっしょやろ多分・・・)
仕事をしている=仕事しやる。
寝ている=寝たーる。
宿題をしている=宿題しやる。
宿題をした=宿題したーる。

「なっとう」

「なっとう」て分かります?もちろん納豆ではありません。
どうするの?=なっとうすんの
どうしたの?=なっとうしたん=なっといたん

そうです。どう=なっとうです。これは理解されませんでした。さらに、和歌山県民ならみな使うと思ってたところ、御坊の友人も理解せず、印南町の同僚も使わないとのことでした。那智勝浦の友人は使ってたので、県南部でしか通用しないということです。

「わい」

自分のことは基本的に「わい」ですが、県外からのUターン組は「俺」から「わい」にはあまり戻りません。なんといってもそこは県外への大学進学率が全国1位の和歌山、職場でも「俺」人口が多いので、戻す必要がないのです。

「ほえる」

こちらでは人間も吠える(大声を出すこと)が、大阪では人間は吠えない。吠えるのは動物だといわれました。

「だ」と「ざ」

だ行とざ行の違いがあいまいです。私は小学校5年まで発音が同じだと思ってました。今でもかなり注意しないと「だぶとん」と発音してしまいます。んっ、俺だけか?

ただ、龍神の小学校に転校したとき、「を」を「O」と発音していたら、「を」は「WO」と発音するのだと同級生に注意されました。市町村合併後、龍神で働く機会があり、龍神在住の上司にその話をしたら、龍神では昔の発音が残っているとのこと。彼らは「じ」と「ぢ」、「づ」と「ず」の発音もできるのかも・・・

「やにこう」

JA紀南のブログ で4月20日に取り扱われた「やにこう」は田辺の方言ですが、「いっかど」、「ごっつう」も同様に使われてます。龍神地区では「てち」「てちこう」「てちこい」などになります。「ごっつう」よりごっついのが「ものごっつう」です。これはダウンタウンの番組名にもなっていたので関西ではポピュラーでしょう。

「つんだある」

車(道)つんだある=道が混んでいる
電車つんつんや=電車が混んでいる。という表現もあります。

「ほっといて」

ほっといてくれ、ほっとけ=①自分を放っておいて or ②ものを捨てておいて。
大阪では①の意味で使われますが、田辺では②の意味でも使います。

「いぬ」=帰る

田辺では「犬がいぬ」という駄洒落が成立します。
人に帰ることを伝えるとき「いんでくら」といいます。「帰ってくら」ともいいますが、帰ったまま戻ってくる(来る)ことはありません。田辺の人にそういわれたら、待ちぼうけを食わないようにしましょう。

否定形は「ん」

否定形には、京阪神でいう「へん」の「へ」がありません。
来ない=けえへん、こーへん、きーひん京阪神ではまちまちですが、田辺は「こん」。
いかん=いかない
いけん=いけない
あそばん=あそばない
大阪方面では、「行けんで」=「行けるで」になりますが、田辺では「行けない」という意味になります。

勧誘の「ら」

いこら=いきましょう
寝よら=寝ましょう

方言は田辺・西牟婁でも地域により異なりますし、世代によっても意味が異なることがあります。方言に辞書はありませんから。もちろん死語になってるものもあるでしょう。

方言は私の子供もあまり使ってないように思います。テレビの影響という人もいますが、テレビの影響ではないですね。子供と私が子供の頃を比べると、私の方が10倍はテレビを見ていました。また、陸の孤島、近畿のお荷物と言われようが、和歌山は近畿地方。私が子供だった30年以上前からNHK2局、毎日、朝日、関西、読売、テレビ和歌山の7局ありましたから。テレビ大阪、サンテレビがテレビ和歌山になっているだけで他は大阪や神戸と同じ。今でも近畿、関東以外に行けば民放2局しかないところってありますよね。情報については結構和歌山は先進地だったのかも。。。ただテレビ和歌山は夜しか放送がありませんでした。

テレビの影響だったら私も子供の頃から方言を使ってないでしょう。私の子供が方言を使わないのは、私と同じように、子供の友達の親たちも県外に出て方言を忘れて帰ってきて、家で使わないからです。親も友達も使わなければ方言覚えませんもんね。寂しいものですが、方言を聞けば分かるけど、使えない。まあ、漢字を読めても書けないのと同じ感じでしょうか。

ちなみに私、出身は白浜ですが、龍神村、橋本市、京都市、西宮市、大阪市、田辺市と転々としてますので、かなりあちこちの言葉が混ざっています。